2008年10月19日
自転車はどこを走れば?
続けて交通の話を。
クルマに次ぐ交通手段として、多くの方は自転車を利用していることだろう。
現在、自転車利用者の多くは街の中でどこを走っているだろうか?
つくばには自転車で疾走するには景色よく快適な田園地帯が広がっているが、そのようなところでは問題はそれほどでもない。(ただしそのようなところに住む方は自転車よりクルマに頼るほかないのだろうが。)その点が問われるのは、市の中心部である。
つくばの街の造りやサービスは、自転車利用者にとって快適なものだろうか?
一定の幅のある自転車道が備わっている東西大通りについては及第点と言えると思う。ただし大きな交差点(クルマが信号によらない左折ができ、二段階の横断歩道が設けられている箇所)では歩行者・自転車利用者・ドライバーの三者に特に注意が要求されるところで、事故の可能性が高い。
つくばの誇るペデストリアンデッキについては、("お上"が)データ上・地図上で捉えたときと日常的に利用する際とで大きく判断が分かれる点ではないだろうか。地図の上では市街の中心を縦断し自転車・歩行者が安全に往来できるという論理が語られるが、実感としてはそのまま受け入れることはできない。
地図では表れない高低差や路面の凸凹の激しい地点がいたる箇所にあり、生活道路として利用するにはかなりの体力を要する。買い物帰りで荷物が多い場合はなおさらであり、買ったものが壊れてしまうかもしれない。その結果自転車を利用することが不快・不利益な印象を残し、クルマへの依存を促進する要因を作っている。女性や高齢者のみならず体力に自身がない人には自転車を生活の足にすることはできないのだろうか。
(そしてこの点は、前の記事で書いた車椅子利用者にとっては何倍も高い壁になるに違いない。)
そこで、著者としては電動アシスト自転車の購入と開発に補助金を出したらいいのではという政策案を持っている。もちろん路面の改善を進めつつ。ペデストリアンデッキという一定レベルのハードウェアがありながらその活用を促進する利用者視点の政策がなければいけない。
同様のことが駐輪場の存在についても言える。
長きにわたって問題なのが駅周辺の駐輪場のことだ。市は増設を進めているものの、結局できたのは一日単位で料金が課せられる有料の駐輪場にとどまっている。通勤通学者の常時利用ニーズにまず対応したという結果だが、その他の用途で利用する市民へのサービスになっているとは言えない。
買い物や、TXで出かけるためなどにセンターに来るという自転車利用者は、多くが(その店への用事というわけでなくとも)ショッピングセンター併設の駐輪場を拝借するか路上駐輪しているのが現状である。"ちゃんとした"駐輪場は割高だからだ。
そして、この点についてなるほどと思わせる意見を聞いたことがある。いわく、「クルマで来た人には買い物や公共施設利用の際に無料駐車券が渡されるのに、自転車にはそれがないじゃないか」と。そう言われればそうである。無料駐車券サービスはクルマ中心時代の反映だが、自転車に対しても同様のサービスをする例や、むしろ自転車・徒歩で来た客には何らかの特典がつくという事例もあるという。
やはり、ここでもハードを設けるだけでなくその利用を促進する政策を取ることが求められる。クルマから自転車への転換を促すというのは、街の将来を見据えた上でも不可欠であり、それは通達を出したり設備を造ったりという無愛想な態度では人々を動かせないのだ。
うまいこと現場の一般の人々が、利益を見出し自発的に選択を変えるという仕組み作りが必要だ。そしてそれには、市の将来を慮り人々をよい方向へ導くという政策決定者の志があるべきなのである。
最後に次の一言を添えるのは興ざめだが・・・、放置した結果に対応するだけの後手後手の政治であったり、よもや政策決定者の目的が私益に基づいたりしてはならない。当然のごとく。しかしこれらがつくば市の現状なのである。
クルマに次ぐ交通手段として、多くの方は自転車を利用していることだろう。
現在、自転車利用者の多くは街の中でどこを走っているだろうか?
つくばには自転車で疾走するには景色よく快適な田園地帯が広がっているが、そのようなところでは問題はそれほどでもない。(ただしそのようなところに住む方は自転車よりクルマに頼るほかないのだろうが。)その点が問われるのは、市の中心部である。
つくばの街の造りやサービスは、自転車利用者にとって快適なものだろうか?
一定の幅のある自転車道が備わっている東西大通りについては及第点と言えると思う。ただし大きな交差点(クルマが信号によらない左折ができ、二段階の横断歩道が設けられている箇所)では歩行者・自転車利用者・ドライバーの三者に特に注意が要求されるところで、事故の可能性が高い。
つくばの誇るペデストリアンデッキについては、("お上"が)データ上・地図上で捉えたときと日常的に利用する際とで大きく判断が分かれる点ではないだろうか。地図の上では市街の中心を縦断し自転車・歩行者が安全に往来できるという論理が語られるが、実感としてはそのまま受け入れることはできない。
地図では表れない高低差や路面の凸凹の激しい地点がいたる箇所にあり、生活道路として利用するにはかなりの体力を要する。買い物帰りで荷物が多い場合はなおさらであり、買ったものが壊れてしまうかもしれない。その結果自転車を利用することが不快・不利益な印象を残し、クルマへの依存を促進する要因を作っている。女性や高齢者のみならず体力に自身がない人には自転車を生活の足にすることはできないのだろうか。
(そしてこの点は、前の記事で書いた車椅子利用者にとっては何倍も高い壁になるに違いない。)
そこで、著者としては電動アシスト自転車の購入と開発に補助金を出したらいいのではという政策案を持っている。もちろん路面の改善を進めつつ。ペデストリアンデッキという一定レベルのハードウェアがありながらその活用を促進する利用者視点の政策がなければいけない。
同様のことが駐輪場の存在についても言える。
長きにわたって問題なのが駅周辺の駐輪場のことだ。市は増設を進めているものの、結局できたのは一日単位で料金が課せられる有料の駐輪場にとどまっている。通勤通学者の常時利用ニーズにまず対応したという結果だが、その他の用途で利用する市民へのサービスになっているとは言えない。
買い物や、TXで出かけるためなどにセンターに来るという自転車利用者は、多くが(その店への用事というわけでなくとも)ショッピングセンター併設の駐輪場を拝借するか路上駐輪しているのが現状である。"ちゃんとした"駐輪場は割高だからだ。
そして、この点についてなるほどと思わせる意見を聞いたことがある。いわく、「クルマで来た人には買い物や公共施設利用の際に無料駐車券が渡されるのに、自転車にはそれがないじゃないか」と。そう言われればそうである。無料駐車券サービスはクルマ中心時代の反映だが、自転車に対しても同様のサービスをする例や、むしろ自転車・徒歩で来た客には何らかの特典がつくという事例もあるという。
やはり、ここでもハードを設けるだけでなくその利用を促進する政策を取ることが求められる。クルマから自転車への転換を促すというのは、街の将来を見据えた上でも不可欠であり、それは通達を出したり設備を造ったりという無愛想な態度では人々を動かせないのだ。
うまいこと現場の一般の人々が、利益を見出し自発的に選択を変えるという仕組み作りが必要だ。そしてそれには、市の将来を慮り人々をよい方向へ導くという政策決定者の志があるべきなのである。
最後に次の一言を添えるのは興ざめだが・・・、放置した結果に対応するだけの後手後手の政治であったり、よもや政策決定者の目的が私益に基づいたりしてはならない。当然のごとく。しかしこれらがつくば市の現状なのである。
Posted by 10 at 22:47│Comments(0)
│市政を学ばナイト★